「こ、これが、あの幻のトロトロのヤキイモだ！」
（2003.04.14）

こんなヤキイモ、今まで食ったことない！ワシのヤキイモのイメージは、ホクホクのごつごつ、
パサパサしたものだった。キミたちもそうではないか？                                    
し、しかし、これまでたまに一行日記に登場してきた「駅前のヤキイモ屋サン」のイモは、これ
までのワシの常識を大きく覆したのでス。そう、トロトロなんでス。しっとり、ねっとりと水分
を多く含み、まるで水アメか、あんこか、きんとんか何かを食べているかのよう。これなら今ま
でヤキイモなど関心もなかったワシでも、食らいつきたくなりまス。                        
ああ、グルメなワシ・・・                                                              



ヤキイモは普通、「紅あづま」という品種を使うらしいが、ここのそれは、「紅こがね」という
品種を使っていて、紅あづまよりも原価は倍ほど違うとのこと。しかしこのねっとりとした仕上
がりや、甘さは抜群によく、普通のヤキイモ屋は、この品種を使いたくても、彼らの親方が安い
原価の紅あづましか使わせてくれないため、あまり出回っていないそうだ。                  
しかし、この駅前のヤキイモ屋サンは、独立でやっているため、紅こがねを使い、しかも客が買
う前に必ず端を切って、味見をさせてくれる。普通のヤキイモ屋はこんなことはしない。味がバ
レるからだ。                                                                          
さらにおじさんの良心的なところは、買ったイモの袋の中に必ず「このヤキイモ屋は、平日いつ
もこの駅前に１７時〜２２時頃までいます。」「買ったヤキイモに不備があった場合は交換しま
す。」というメモが、電話番号付きで入っており、売り逃げのようなことはしない、味には自信
を持っている、ということを客に伝えているのだ。客の心をつかむことがうまく、ワシ、こんな
ヤキイモ屋サンなら、どんどん応援しまス。                                              
ヤキイモについて、商売について、しばらくワシに熱く語ってくれたおじさん。なんでもない普
通の初老のおじさん。しかし、どこかカッコよく見えてしまった。                          
「また買いにきまス・・・。」                                                          

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